週刊!横尾和博
週刊!横尾和博

今週の気になる? Vol.407

   第407回 【 村上春樹の新作短編を読む!】

編集部:「今週の気になる?」のコーナーは?

横尾 : 村上春樹が文芸雑誌の「文學界」7月号(6月7日発売)に
     短編3作品を載せました。
     「文學界」は文藝春秋が発行している純文学の雑誌です。
     ふだんは実売数千部だと思いますが、村上人気でどれだけ売上が
     伸びるのか注目です。

編集部: 小説の内容はどうなのですか?

横尾 : 「石のまくら」というのがとてもおもしろいです。
     ざっくりした感想をいえば、初期の村上春樹に回帰したような感じがあります。
     つまりデビュー作『風の歌を聴け』『1973年ピンボール』
     『羊をめぐる冒険』の初期3部作、1979年から1983年くらいまでの
     時期に書かれた作品です。

編集部: どこが似ているのでしょうか?

横尾 : あまり親しくない女の子と一夜をともにした青年、
     それ以後は交流、交際もなく音信不通だけど、ある日手製の彼女の短歌集が
     郵便で届けられる、という表面上のストーリーが似ています。
     その短歌には死のイメージが漂い、それも斬首のモチーフがあるように
     主人公には思えます。
     死と生の哲学はさりげなく語られて、長年の読者にとっては
     初期作品のイメージが湧いてきます。

編集部: その他の2編も同じような作品ですか?

横尾 : 「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」も
     同様に、死や生の哲学が語られます。
     「クリーム」では、「中心が無数にあって、しかも外周を持たない円」との
     哲学的命題が提起されます。村上春樹の本領発揮です。

編集部: 本領発揮、といいますと?

横尾 : 表面はわかりやすい物語だが、不思議な体験、奇妙な出来事をとおして
     難解な哲学を考える、という構造の作品群です。

編集部: なるほど。初期の作品からその構造だということですね。

横尾 : 村上春樹はラジオに出るとのことですね。

編集部: 8月5日(日)19:00からのFM東京の「村上REDIO」という
     番組でDJをつとめるそうです。

横尾 : 自分の好みの活動領域でおもしろいことを企画する、村上春樹らしい話題です。


[PR]

  by weekly-yokoo | 2018-06-13 09:01 | 今週の気になる? | Comments(0)

<< 第407回  【 歴史的な米... 編集後記 Vol.407 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE