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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

今週の気になる? Vol.394

第394回【 音楽ユニット「ヘクとパスカル」の「花は咲く」】

編集部:「今週の気になる」です。

横尾 : 東日本大震災から7年で、復興のイベントが行われましたが、
     3・11後、NHKの復興支援ソングとして「花は咲く」が流れました。

編集部: 誰でもが知っている復興ソングですね。

横尾 : 作詞は仙台出身の映画監督、岩井俊二さんで、作曲は同じく仙台出身の
     菅野よう子さんです。
     あの当時、東北出身のタレントや文化人がガーベラの花を一輪持って、
     各フレーズ歌ったのが印象的でした。
     あの印象的な映像も岩井監督が撮影したんですね。

編集部: そうですか。

横尾 : 復興支援ソングは希望や鎮魂を込めて歌われていますが、
     死者の鎮魂のニュアンスがうまく伝わっていないようで、
     ボクは気になっていました。
     つまり希望の側面だけが明るく強調されて歌いつがれているようで。

編集部: はい、そうかもしれません。

横尾 : 歌詞の意味を考え、映像を見ると、やはり死者への鎮魂なんですね。
     歌詞の「私は…」という主語は、死者が語っているとボクは思います。
     小説でいうと、いとうせいこうさんの『想像ラジオ』の世界です。

編集部: 死者が生きている人に向けて語っているのですね。

横尾 : はい、岩井監督もそのあたりのジレンマを抱えていたようで、
     自らが率いる音楽ユニット、「 ヘクとパスカル」の
     ファーストアルバム「キシカンミシカン(既視感未視感)」が、
     今年1月24日に発売されましたが
     そこに「花は咲く」の鎮魂曲のような静かなバージョンを収録しています。

編集部: 震災で亡くなった方たちを忘れないためにも、それは大切ですね。

横尾 : 死者を悼む気持ちが薄れると、震災の記憶も忘れたりするのですね。
     そういう意味で音楽、映画、文学などの役割は
     メディアと異なる役割がありますね。


  by weekly-yokoo | 2018-03-14 09:01 | 今週の気になる?

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