363回 【稲田大臣辞任、加計問題は闇、政権は?】
363回 【稲田大臣辞任、加計問題は闇、政権は?】
編集部:今週の話題をお願いします。
横尾 :先週末に稲田防衛大臣が辞任しました。
安保法制により南スーダンに派遣した部隊の日報隠しで責任をとりました。
編集部:なぜ防衛省・自衛隊で南スーダンの日報隠しが起きたのでしょう?
横尾 :昨年フリージャーナリストが情報公開法に基づいて「日報」の開示を要求したの
ですが「破棄」されて存在しない、ということでした。
しかし実際にはあったのです。
編集部:なぜ隠したのでしょうか?
横尾 :一昨年の安保法制で問題になり、反対運動も大きかった自衛隊の駆けつけ警護が
可能となる現地の2つの勢力による「戦闘」の記述が記載されていたからです。
つまり国連のPKO(平和維持活動)の枠を超えた内戦状態だと、自衛隊を撤収
しなければならない、それがわかると、せっかく安保法制を成立させ、自衛隊を
派遣した意味がないからです。
編集部:なるほど、戦闘状態だと困る、あくまでも平和維持の活動で自衛隊が国連軍の
一員として活動している、ということじゃないと安倍政権はまずいわけですね。
横尾 :そのとおりです。
その情報隠しが今回の稲田大臣事件の本質です。
編集部:一方、先週は加計問題の審査も国会でありました。
横尾 :閉会中審査ですが、安倍総理は一転低姿勢で乗り切りました。
野党も追及の材料がない、肝心の加計学園理事長の加計氏を証人喚問しないと
ダメですが、自民・公明の与党が反対しています。
編集部:ではこのままウヤムヤですか?
横尾 :その公算が強いですね。
3日に内閣改造して支持率を少し上げて、北朝鮮問題などで国民の目をそらして
乗り切りを図るでしょう。
この時期に民進党の蓮舫代表も辞任して、安倍政権には追い風を送っています。
編集部:その民進党をどう見ますか?
横尾 :ホントにダメな政党ですね。
でもダメな姿は自民党と同じで、国民の民度の低さの反映です。
今度の衆院選挙があれば、小池新党(都民ファーストの会)にみな議席をもって
いかれますよ。
民進党が野党共闘の先頭に立って自民党と闘えば、政権交代までいかなくても、
十分に安倍政権の暴走の抑止力になります。
いまの民進党は政権交代、提案型ではなく、自公の暴走ストップ型の政党を
目指すべきですね。
※東京新聞掲載、村上春樹『騎士団長殺し』書評(筆者 横尾和博)
北海道新聞掲載、村上春樹・川上未映子『みみずくは黄昏に飛びたつ』書評(筆者 横尾和博)
by weekly-yokoo | 2017-08-02 11:03