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週刊!横尾和博
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第353回 【内に閉ざす国家を見張る!】

    第353回 【内に閉ざす国家を見張る!】

編集部:今週の話題をお願いします。

横尾 :共謀罪の採決が衆議院で強行され、自民、公明、維新の賛成で委員会を通過し、
    参議院へ送られます。
    6月18日の国会会期末に向けて可決成立するようです。

編集部:このことは何度もこのコーナーで指摘されていました。 

横尾 :はい、「テロ等準備罪」と国民の理解を得やすいような名前の法律案ですが、
    実際はテロ目的ではなく、実行しないのに捜査、逮捕できる国民監視の危険な
    法です。
    この法により市民運動や社会活動が委縮する、という心配があり、権力者に
    対して声を挙げるのを自主規制する動きになります。

編集部:事前の監視も法がバックにあるのでやりやすくなる?

横尾 :今でも非公然に監視の目は光っていますが、これからは法の裏付けにより大手を
    振って警察が国民を監視できます。
    警察予算が増えて、東京オリンピックを錦の御旗にして国民監視が強化されます。

編集部:一般人は関係ない、と思いますが?

横尾 :国会答弁は一般人も対象と明言しています。
    なぜなら社会活動をする人と一般人の区別がつかないからです。
    冤罪事件も増えます。
    明治の終わりの大逆事件も冤罪でした。

編集部:イヤな時代ですね。

横尾 :国家や統治機構、為政者は権力維持のために、常に内へ閉ざそうとする必然性が
    あります。
    どんな国家もそうです。
    極端なのはナチスドイツ、旧ソ連、いまでは北朝鮮です。
    また民主主義国家、と言われている国も同様です。
    そのために情報公開や議会や裁判所など、閉ざそうとする国家に対して開こうと
    する制度が民主主義国家では担保されています。
    でもいまの日本はそれが機能していません。

編集部:なぜでしょうか?

横尾 :ずばり自己保身です。
    情報公開では黒塗り文書を平気で公開、森友学園や加計学園問題では、
    問題になった文書はない、と言い張る。
    裁判所は国の顔色ばかり見て、三権分立が成り立たないんです。
    ゆえに日本はこの先時間をかけて北朝鮮のような国家になっていくと思います。
    個人崇拝ではなく集団指導体制による柔らかな独裁国家、になると思います。
    共謀罪成立はその第一歩だと思います。
    ボクらは閉ざす国家を見張ることしかできないですね、残念ですが。


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※お知らせ 東京新聞掲載、村上春樹『騎士団長殺し』書評(筆者 横尾和博)


  by weekly-yokoo | 2017-05-24 10:45 | バックナンバー

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