今週の気になる? Vol.341
第341回 【村上春樹『騎士団長殺し』を読む!】
編集部:いよいよ村上春樹の新刊が発売されましたね。
横尾 :テレビでは発売日2月24日(金)の深夜0時のカウントダウンが報じられて
いました。
まだ発売から1週間経っていませんから、新聞の書評などは載っていません
けど。
社会現象としての「ハルキ・ムラカミ」は盛んに報じられています。
編集部:NHKの番組の作り方だと「期待するハルキスト」と「ハルキ批判の人」を
両方取り上げ、公平さを装っています。
横尾 :はい、文学に公平さの報道はまったく無意味ですね。
「クローズアップ現代」で放送していましたけどね。
ボクが構成作家なら、ハルキがなぜ読まれるのか(現象と本質)を徹底して
報じます。
読者の感動、識者の意見、そしていまの日本の文学の状況を反知性主義の立場
から作りますけどね。
編集部:さてその新作『騎士団長殺し』の内容ですが?
横尾 :ボクは読みましたが、ネタバレになるのでストーリーは言いません(笑い)。
舞台は現代の日本、36歳の画家の身に起こるさまざまな謎、それをミステリ
風に解いていく物語で、さすがというか、読ませます。
ぐいぐい物語の中に読者を引き込みます。
村上春樹の熱心な読者なら、この物語のパターンは既視感があるかもしれませんが。
編集部:文学ですからオモシロイというだけではなく、何かメッセージがあるかですよね。
横尾 :著者からの隠れたメッセージ、つまり主題(テーマ)を読み解くことが文学と
しては大事ですね。
文字で書かれていることと、書かれていない空白を読むことが、ボクたちの
仕事、つまり文芸批評になるわけです。
編集部:その横尾さんの読み解いた『騎士団長殺し』のテーマは?
横尾 :そのうち新聞にボクの書評が掲載されるかもしれません。
そのときはお知らせしますので、そちらをご覧ください(笑い)。
編集部:ひっぱりますね(笑い)。
by weekly-yokoo | 2017-03-01 10:58 | 今週の気になる?