週刊!横尾和博
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今週の気になる? Vol.336

       第336回 【芥川賞の山下澄人のせかい!】

編集部:先週は芥川賞予想をずばり当てましたね。

横尾 :はい、山下澄人『しんせかい』でしたね。
    文学賞の予想は当たっても、競馬予想になるとこれが当たらないんですよね(笑い)。

編集部:一般的に山下澄人という人は馴染みがない作家ですが、どのような作家なのですか?

横尾 :経歴としては、1966年神戸生まれで51歳、高校を出てから脚本家の倉本聰
    が北海道に作った演劇塾「富良野塾」に入塾して、演劇の勉強をするのですね。
    そして自分の劇団を持つようになり、俳優、脚本家としても活躍していました。

編集部:小説はいつごろから書き始めたのですか?

横尾 :2012年の『緑のさる』でデビューし、野間文芸新人賞、三島賞の候補に
    のぼり、芥川賞候補にも今回で4回目のノミネートでした。

編集部:作風はどのような?

横尾 :今回受賞の『しんせかい』は、私小説のような作りで、主人公が北の大地にある
    演劇塾に入塾する青春ストーリーです。
    登場人物たちの視点が移動したり、人物が時間や空間を超え自在に往還したり
    します。
    わかりにくい小説です。

編集部:なぜ山下さんの作品が何度も賞の候補に上ったのでしょうか?

横尾 :ストーリーを読むより、質をイメージで読んでいく作品だと思います。
    絵でもありますよね。
    ピカソとかシャガールとか、イメージで見る絵が。
    それと同じです。
    山下の小説を「震災小説」と言う人もいます。
    95年の阪神淡路大震災と、11年の東日本大震災のふたつの震災を合わせて
    ですね。
    「震災小説」との文脈で読むと、作品世界は、死者の世界ではないかとボクは
    思います。
    今後どうなるのか楽しみですね。


お知らせ
第307号(2016年6月29日号)の「気になる?」でとりあげた漫画家、
加藤望の『さよならハヰドランジア』の下巻が1月12日に発売されました!

http://hi-bana.com/works021.html

 
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  by weekly-yokoo | 2017-01-25 10:40 | 今週の気になる? | Comments(0)

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