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今週の気になる? Vol.325

       第325回 【小説家が「漫画」を書いた!】 

編集部:今週の「気になる?」です。

横尾 :芥川賞作家の吉村萬壱がマンガを書いて発表しました。
    『流しの下のうーちゃん』(文藝春秋)という本です。

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編集部:どのような漫画なのですか?

横尾 :執筆で悩んでいる作家が、台所の流しの下に入った、飼っているウサギを
    探しているうちに床下の穴に落ち、不思議な世界に入ります。
    ルイス・キャロル「鏡の中のアリス」のような話です。

編集部:それはおもしろそうですね。

横尾 :その世界では非現実的なことが次々起きます。
    漫画はつげ義春のようなイメージで、ストーリーは吉村萬壱の描く世界
    そのものです。
    吉村は50代の小説家で、2003年『ハリガネムシ』で芥川賞を受賞し、
    2014年に3・11をイメージした『ボラード病』で、話題になりました。

編集部:でも漫画に挑戦とは珍しいですね。

横尾 :漫画は絵を描く才能がないとダメですからね。
    いくらストーリーがうまくても。
    彼の双子の兄弟は漫画家で、彼もやはり才能があるんですね。
    でも珍しいケースですよね。
    漫画家やイラスト作家が小説を書く例はありますが、その逆は。
    ぜひ読んでみてください。
    不思議な吉村ワールドに感化されますよ。

 

  by weekly-yokoo | 2016-11-02 10:39 | 今週の気になる?

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