週刊!横尾和博
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編集後記 Vol.325

先日テレビのクイズ番組で、美大生の選ぶ芸術家というランキングを発表していましたが、なんと堂々の一位は宮崎駿でした。ベスト10にはピカソやダヴィンチといった有名芸術家も入っていましたが、今年話題の新海誠から細田守、手塚治虫、水木しげるなどの名前もあり、漫画やアニメが世界的なブームの今の時代ならではと感じました。昭和生まれの感覚からすると、ベスト30にモジリアーニもガウディもロートレックも入っていないなんて!とちょっとショックでした。なんでも、最近の高校生の美術の教科書には上記のアニメ作家の作品などが載っているようなので、なるほどとも思えました。考えてみると日本人にとって西洋美術はインテリやブルジョワのものであって、ヨーロッパの人のように庶民の暮らしに浸透しているとは言い難い気がします。西洋美術が庶民に浸透する前にアニメや漫画が飛び込んできた感覚です。日本では寺院美術や工芸品といったものが庶民には子供の頃から浸透しているものと言えるでしょう。確かに昨今の流行りの琳派の作家や伊藤若冲とかは、アニメ作家の評価されている風景描写の精密さと、なにか日本人の好みとして共通する部分を感じます。とことん表現を突き詰めるのが芸術であり、そういう人が芸術家なのです。やっぱり日本人は細かい作業が好きで、その技能に長けた人を敬う傾向があるようですね。とはいえ、もともとヨーロッパでもミケランジェロの時代までは美術や芸術といった概念はなく職人の技術という概念だったようですから、これは世界共通の認識かもしれません。そう考えてみると、伊藤若冲の根の詰め方とアニメ作家のそれには同じ職人的な匂いがしますね。

 
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  by weekly-yokoo | 2016-11-02 10:35 | 編集後記 | Comments(0)

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