人気ブログランキング | 話題のタグを見る
週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

今週の気になる? Vol.309

         第309回 【今年の夏の芥川賞は?】

編集部:さて「今週の気になる」です。

横尾 :来週19日(火)夜に、恒例の芥川賞発表があります。
    このコーナーでも何回も話題にしたことがあります。

編集部:そうでした。もう一度賞の意味から教えてください。

横尾 :芥川賞というのは純文学を対象にした新人賞です。
    まずは「純文学とは何か?」が定義になりますが、純文学系の文芸雑誌5誌を
    中心に掲載された作品です。
    純文学とはストーリー重視のエンタメ小説とは違い、深い哲学性や芸術性を
    持つ作品ということになります。

編集部:なるほど、娯楽性とは違うということですね。

横尾 :はい、そうです。
   そこで次は「新人とは何か?」ですが、明確な規定はなく、あいまいです。
   デビューして10年以上の作家もいれば、今年デビューした人もいます。
   プロ野球のように、今年入団した新人、とは言い切れないのです(笑い)。

編集部:そうですね、でも基準は?

横尾 :60歳を過ぎて小説を書き始め、デビューして芥川賞をもらった人もいます。
    最近では黒田夏子がそうです。

編集部:有名になった作家でも、その「新人時代」に、芥川賞をとっていない作家も
    いますね?


横尾:はい、戦前では太宰治が有名です。
   いまでは村上春樹、吉本ばななも芥川賞をとっていません。
   要は、選考委員の主観と声の大きい委員に影響されるんですね(笑い)。

編集部:芥川賞は、年に1月と7月の2回あるんですね。

横尾 :そうです。
    昨年の夏は又吉直樹で有名になりましたね。
    要は、作品内容は選考委員の主観、あと新人を売り出したい出版社の思惑で
    異なる、ということです。
    でも世間、特にテレビメディアはあまり芥川賞のことを知らずに大騒ぎする
    ので、お祭り騒ぎになるのです。

編集部:ずばり今年の予想は?

横尾 :5作がノミネートされていますが、私が選考委員なら
    村田沙耶香「コンビニ人間」、
    崔(チェ)実(シル)「ジニのパズル」の2作品でしょう。

編集部:予想、楽しみですね。
    一方、直木賞というのは?


横尾 :エンタメ系小説が対象で、新人賞ではなく、ある程度ギョーカイで活躍してきた
    作家に「よくがんばったで賞」のような感じで与える賞です。
    これはそれなりに執筆活動を続けてきた作家ですから、まあ順当といえば順当。
    でもこちらも選考委員の先生方の好き嫌いなど、主観が入りますけどね(笑い)。

 

  by weekly-yokoo | 2016-07-13 10:52 | 今週の気になる?

<< 第309回 【参院選結果、この... 編集後記 Vol.309 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE