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週刊!横尾和博
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第292回 【テレビキャスター、立ち上がる!】

      第292回 【テレビキャスター、立ち上がる!】

編集部:今週の話題はどのようなことでしょうか?


横尾 :先週の月曜日、2月29日ですが、民放テレビのキャスターをつとめる
    鳥越俊太郎、岸井成格、田原総一朗、金平茂紀、大谷昭宏、青木理の6氏が、
    高市総務大臣の「テレビ局の電波停止」発言に、怒りの反撃をしました。

編集部:テレビメディアではあまり報道されませんでしたね。

横尾 :新聞は取り上げていましたけど。
    高市大臣の発言はとんでもないもので、電波はおカミ(権力者)のものである、
    という根本的な発想があります。

編集部:そこが一番の問題ですね。

横尾 :そうです。
    放送法は、戦前のメディアの大本営発表を反省して、
    「権力が放送に介入しないこと」を背景にしてできた法律です。
    政府に反対の意見を言うことが「偏っている」という根本的な発想の誤りが
    あります。
    いまの自民党には、電波は権力者のもの、政府に反対するのは「偏向報道」で、
    電波停止もありうる、という北朝鮮のような体制批判を許さない、という考えで
    驚いてしまいます。

編集部:そこでキャスターたちが立ち上がった?

横尾 :本来はテレビ局の幹部や民放連(各テレビ局の連合体)が反対の意思表示を
    しなくてはいけない。
    また労働組合の民放労連や日放労(NHKの労組)もストライキで対抗する
    くらいの大事です。
    しかし感度が鈍いのか権力が怖いのか、反論が弱いですね。

編集部:北朝鮮の平壌(ピョンヤン)放送のようでは困りますね。

横尾 :いまの各局のニュース番組は、「政府はこう発表しています」という伝達放送、
    政府広報です。
    芸人を使って同じような番組ばかり作っていないで、骨のある番組を作ってみる
    べきですね。
    それができないなら、いっそニュースなど流さず、CSの各放送局のように、
    バラエティ放送局、旅行番組放送局、歌番組放送局、子ども専門放送局のように
    特化し、分かれた局になればよいと思います。
    生半可な政治、経済、国際ニュースを流すのは国民にキチンとした情報を伝えず
    に、権力におもねる価値観を国民に植えつけるだけですから。


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  by weekly-yokoo | 2016-03-09 10:32 | バックナンバー

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