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週刊!横尾和博
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第275回 【マンションくい打ち偽装の真相は?】

      第275回 【マンションくい打ち偽装の真相は?】

編集部:今週はどのようなお話でしょうか?

横尾 :横浜のマンションのくい打ち偽装事件が発覚して、
    工事を請け負った旭化成建材の調査報告などが出て社会問題化しましたが、
    これで終わりにならなかったですね。
    会社の説明では、現場代理人(旭化成建材の契約社員)の個人的な偽装、
    個人の資質の問題として個人責任で片付けたいと思ったのが、
    それ以外にも手抜き工事が発覚しました。

編集部:やはり、という感じですかね。

横尾 :前からボクは個人の問題ではなく、企業や業界の経営姿勢の問題だと
    にらんでいました。
    いろいろわかればもっと大きな事件になります。

編集部:その理由は?

横尾 :2つあります。
    ひとつ目は、マンション工事という普通の人では構造も何もわからないことで、
    しかも今回は地下のこと。
    ふたつ目は、高額で一生もののマンションという「住」に関わることなので、
    人々の不安を煽り、簡単に住み替えができないことです。

編集部:そうですね。

横尾 :人間は見えないこと、わからないことには不信が増幅します。
    また食品なら、買ったものは捨てればよいし、これからは買わない、
    気をつけて買うなど代替えが可能ですが、マンションはそうはいきません。
    大騒ぎになるのは当然です。

編集部:根本の原因を横尾さんはどう考えていますか?

横尾 :ボクは今の仕事の前に建設業界にいました。
    現場のことはわかりませんが、大手ゼネコンの企業体質はわかります。
    ずばり重層下請け構造と、工事単価を下にいくほど安くさせる、
    そして工期が厳しいのです。
    コストと工期(納期)はどこの業界も同じように思えますが、
    建設は現場ごとの個別生産です。
    土地の形状も違えば地盤も異なり、思わぬことで工期が遅れたりします。
    その分コストも予想以上にかかったりします。
    下請けは最初の請負金額がすべてですから、かかった費用を上乗せして
    請求できません。
    そんなことしたら次から仕事がもらえません。
    泣く泣く仕事をやります。
    それが手抜きの温床になりやすいんです。

編集部:根本的な解決策は?

横尾 :企業が工期やコストを圧縮しないこと。
    工事を管理する第三者機関を作り、そこの検査でマンションの安全を
    担保することです。
    第三者機関は、国と企業で金を出し合い運営し、
    もちろん中立のプロの建築技術者や学者がいます。
    それしか根本的な解決策はありません。


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  by weekly-yokoo | 2015-11-04 11:39 | バックナンバー

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