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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

編集後記 Vol.274

 ここ数年、日本では急加速しているハロウィン。とうとう今年は市場規模でもバレンタイン1080億円を抜いて、1100億とも1200億とも言われているようです。
 僕が、小学生の頃(1970年代)、バレンタインの風習は既にあり、毎年チョコレートをもらえるもらえないでソワソワしていましたが、ハロウィンは全くの無名。ほとんどの人が知りませんでした。ちなみに、僕はその頃ピーナッツコミックス(スヌーピーの漫画)を愛読していたので、その中に出てくるアメリカのお祭り、イースター、感謝祭、ハロウィンなどを知っていました。でも、友達に話しても誰も知らず、全く興味も持ってもらえませんでした。あれから、30~40年かけて、ハロウィンはブームになったわけです。
 バレンタインとブームになる時間差に、ひとつは、大企業が動いたことにあります。バレンタインは、製菓メーカーが一大キャンペーンを張ったせいで、急激に広がりました。でも、昨今のハロウィンブームは服飾メーカーがキャンペーンを張ったから仮装が流行ったというわけでも、製菓メーカーが“トリック オア トリート”のお菓子収集のキャンペーンを張ったからでもありません。
 統計が出ているわけではありませんが、理由はアニメを中心としたオタク文化の外への広がりだと考えられます。アニメの発展がコミックマーケットを中心としたイベントの発展につながり、イベントの発展が素人のコスプレを盛んにしていきました。そのコスプレの発展が、タイミングよくハロウィンの仮想と結びついたと考えられます。
 つまり、仮想(コスプレ)する人がオタクを中心に広がっている中、オタクではないけれど仮想はしてみたいという若者が多く、ハロウィンに飛びついたということです。
 まぁ、サッカーワールドカップのにわかファンのように、なんでもワイワイ騒ぎたいという、現代社会の閉塞感に対する欲求の爆発という根底の生理もあると思いますが。
 うちの会社は渋谷にあるので、今年もまた奇妙な格好の若者で溢れかえります。

  by weekly-yokoo | 2015-10-28 10:29 | 編集後記

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