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今週の気になる? Vol.258

        第258回 【7月16日の芥川賞予想!】

編集部:さて「今週の気になる?」です。

横尾 :7月16日(木)の夜に芥川賞・直木賞の発表です。
    年2回、1月と7月に発表されます。
    今回は2015年上半期の主に文芸雑誌に発表された「純文学作品」の中から
    「新人賞」に相当する芥川賞が発表されます。
    新人賞なのに、芥川賞はお祭り騒ぎです。
    直木賞は、エンターテイメント作家の実績に与える賞、のような性格です。

編集部:今回ノミネート作品は?

横尾 :全部で六作品です。
    注目は又吉直樹「火花」が候補に挙がっていることです。

編集部:ずばり、予想はどうでしょう?

横尾 :本命は又吉直樹でしょう。
    ただ芥川賞はしばしば選考基準が揺れています。
    今回のノミネート作品だけで評価するのか、ここ数年の新人として
    活動を評価するのか、という点です。

編集部:又吉直樹は最初の作品ですね?

横尾 :初めて文芸誌に載った作品での評価となります。
    ただ選考委員は作家たち。
    映画や演劇など他分野から小説を書き文学に「参入」してきた人に冷たいんです。
    ここ数年ノミネートされてはみな落ちています。
    典型的なのは音楽クリエーターだった、いとうせいこう「想像ラジオ」でした。
    ゆえに今回の又吉直樹が受賞すれば「大いに甘い」評価になるでしょう。

編集部:もし受賞すれば出版元は本が売れて、書店も含めて、景気のよい話に?

横尾 :そうです、経済効果大です(笑い)。
    理由は芥川賞、直木賞はもともと文藝春秋社が作った賞。
    又吉は文藝春秋社が作家として売り出したのですから、
    受賞の可能性は経済効果からみても大きいです。

編集部:もし逃したら、選考委員が意地をみせた?(笑い)

横尾 :そうですね(笑い)。

編集部:もし又吉がダメなら対抗馬は?

横尾 :ボクは島本理生「夏の裁断」だと思います。
    彼女は過去3回ノミネートされましたが受賞していません。
    今回で4度目です。
    実績を含めての評価なら彼女です。
    地味な作家ですが、2003年の「リトル・バイ・リトル」は、
    豊かな感性でさりげない日常を描いた秀作でした。
    今回も文春の文芸誌の掲載作品ですから、可能性はありますね。
    ついでに大穴は高橋弘希「朝顔の日」ですね(笑い)、理由は省略です。

  by weekly-yokoo | 2015-07-08 11:09 | 今週の気になる?

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