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週刊!横尾和博
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編集後記 Vol.258

最近、テレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」という、バナナマン司会の番組が人気です。国際空港で待ち伏せして、日本に来る外国人に訪日の目的を聞いて、本人の許可が下りれば在日中の密着取材させてもらうというドキュメントバラエティ番組です。来日の目的は多種多様でも、みんな日本が大好きだったり、大好きになったりと、日本に対して好意的な印象が何とも嬉しい番組です。
ここのところ、その手の外国人が日本をもてはやす番組を各局で盛んに放送しています。NHK・BSで10年前からやっている「COOL JAPAN 発掘!かっこいいニッポン」が先駆けでしょうか。観光を日本の産業にという流れや、東京オリンピックに向けてのキャンペーン的なものであるのはわかりますが、戦前の軍国主義やナチスの民族主義的なきな臭さがあって、ちょっと気持ち悪い気もします。
そんな中、「英国人一家、日本を食べる」と言う本を読みました。イギリスのフードライター、マイケル・ブースが、2007年に約3ヶ月間、家族で日本を訪れ、全国の食文化を体験し、それを紹介した本です。今年の4月からNHKで深夜アニメとしても放送が開始されました。これを読むと、あらためて日本と言う国が欧米文化中心の世界からは特殊な国と思われていることに気づかされます。
グローバル化の社会、インターネットの時代にあって、マクドナルドも日本アニメも世界中で楽しめる時代ですが、異文化の歴史はそんなに浅くないようです。本の内容的にはとても面白く、日本人が読んでもあらためて日本の食文化の勉強になるくらいです。そして、民族としてかつて7つの海を制覇した英国人のフロンティアスピリッツの偉大さは、見たこともないような食べ物に果敢に挑戦し、それを理解しようとする探究心の旺盛さによくあらわれていて、それは成田空港で「YOUはなにしに日本へ?」の番組取材を受ける欧米人から感じられるものと同じ匂いがします。こっちはきな臭くありません。何かと国内のことで縮こまりがちな現代日本ですが、将来を危惧すればするほど、若い人にはもっともっと海外に出て欲しいと思います。

  by weekly-yokoo | 2015-07-08 11:06 | 編集後記

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