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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

今週の気になる? Vol.213

              第213回 【小泉八雲『怪談』の源は】

編集部: 今週の気になるは何でしょうか?

横尾 : 旧盆の時期ですから、「怪談」の話です。
      怪談といえば、ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲)の『怪談』です。
      「耳なし芳一」、「雪女」などですね。

編集部: 怪談の元祖ですね。昔読みました。

横尾 : ところがこのハーン、その人物像はあまり知られていないんです。
      『怪談』はあまりにも有名ですが。

編集部: そういえばそうですね。

横尾 : そこで小泉八雲、ラフカディオ・ハーンの実像に迫ってみました。
      ハーンは1890(明治23)年に日本へやってきました。
      日本を取材するジャーナリスト、ノンフィクション作家の立ち位置です。

編集部: アメリカ人ですか?

横尾 : もともとはアイルランド人の父、ギリシャ人の母という神話の国の両親のもと、
      ギリシャで生まれました。
      しかし両親の離婚、大叔母の破産、父の死を経験し、アメリカに流れついたのです。
      アメリカでも文筆で身を立てていましたが、貧乏暮らしで、食い詰めて日本に
      きました。

編集部: それは知りませんでした。

横尾 : 日本では英語教師の職にありつきました。
      時代は文明開化で、外人は高給で迎えられました。
      そしてハーンは島根県松江市の学校で教え、そこで日本文化の深層に出合いました。
   
編集部: 日本人女性と結婚したんですね。

横尾 : そうです。
      それで小泉という姓になりました。
      結婚後には語学だけでなく風俗、そして口承文芸の収集なども行い、
      夫人が果たした役割はとても大きいと思います。
      しかし日本語は片言ですから、作品は全部英語で書いて翻訳されました。
      あまり知られていませんけど。

編集部: そのようにハーンの背景を考えながら読むと、また一味違いますね。

横尾 : そうです。
      食い詰めた外国人ジャーナリスト、一転日本では高給取り、
      日本の神々・文化・民俗との出合い、というのがポイントでしょうね。

  by weekly-yokoo | 2014-08-13 10:56 | 今週の気になる?

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