週刊!横尾和博
週刊!横尾和博

今週の気になる? Vol.197

   第197回 【村上春樹の新作短篇集『女のいない男たち』を読む!】

編集部: さて今週の気になるは?

横尾  :村上春樹の9年ぶりの短編集が4月18日(金)に発売されました。
       『女のいない男たち』(文藝春秋)です。
      初刷り30万部というビッグな小説です。

d0178451_11501352.jpg

編集部: 内容はどのようなものでしょう?

横尾 : 6つの短編から編まれています。
      月刊誌『文藝春秋』に載せたものが4作、他の雑誌掲載が1作、書き下ろし1作です。
      モチーフは文字どおり「女性に去られた男たち」、あるいは「去られようとしている
      男たち」です。
      この「男たち」という複数形に大きな意味があるようです。

編集部: どのような意味でしょうか?

横尾 : ひとりの女性とふたりの男性、という三角形の構図、
      トライアングル・ストーリーは、村上春樹得意のパターンです。
      また、それぞれの登場人物の人間関係の距離感、
      互いに心に欠けたものをもっているのも特徴です。
      なぜ、それが女ふたりに男がひとりの三角構図ではなく、
      男ふたりに女がひとりの構図になっているのか、
      それはストーリーとして、小説の動力になるからだと思います。
      女性の嫉妬心には静的なイメージがありますが、
      男性の嫉妬は、現実の事件の引き金となったり、ダイナミズムをもたらすからです。

編集部: この本の読みどころはどのあたりでしょうか?

横尾 : 今回の6つの短編のなかで、ボクが一番不思議に思ったのは、
      表題作の書き下ろし「女のいない男たち」です。
      夜中に、昔の恋人の夫から電話で「妻が自殺した」と告げられた男が
      元恋人の彼女を回想する話ですが、比喩や寓意が多く、
      たとえば“船と港と水夫”という言葉がでてきますが、
      意味する謎を考えるのが難しいです。
      もちろん文学は、読者一人ひとりの解釈がいろいろあってよいわけですが。

編集部: それはおもしろそうですね。

横尾 : まずは一読を。
[PR]

  by weekly-yokoo | 2014-04-23 11:54 | 今週の気になる? | Comments(0)

<< 第197回 【中身のない日米首... 編集後記 Vol.197 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE