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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

編集後記 Vol.185

「小さいおうち」と聞くと、僕らの世代はバージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」をすぐに思い出します。直木賞作家の中島京子さんもほぼ同世代なので、きっとこの絵本にかけたタイトルにしたのだと思います。本の装丁も雰囲気が似ていますしね。
バージニア・リー・バートンの代表作に「せいめいのれきし」という絵本もあります。「ちいさいおうち」は、家が建てられてから、周囲がどんどん都市開発されて高層ビル街になるまでの100年くらいの時の流れを描いたものですが、「せいめいのれきし」は、それこそ宇宙の誕生から人類の現代社会までの壮大な時間の移り変わりを描いたものです。どちらの絵本も、子供ながらに人生とか、人間とかを意識するきっかけになったような思い出の作品です。また、バージニア・リー・バートンの描く人物はスマートなイメージで、日本の桃太郎とかとは脚の長さからして違うスタイルの良さがあって、カッコいいな~、オシャレだな~と、西洋人に憧れると同時にコンプレックスの目が芽生えた気がします。今は、すっかり日本人もスタイルのいい若い子が増えたし、暮らしぶりも西洋に負けないスタイリッシュな人たちも増えましたから、最近の子は読んでもそんな事は感じないでしょう。この先、未来になって、全て集合住宅的な物になったり、色々と都市構造が変われば、「小さいおうち」と言う言葉自体がピンとこない時代が来るかもしれませんね。

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  by weekly-yokoo | 2014-01-29 11:24 | 編集後記

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