第120回 【iPS細胞の誤報騒動の根源には…】
第120回 【iPS細胞の誤報騒動の根源には…】
編集部: 先週はノーベル賞で沸きましたが、そのなかで誤報騒ぎがありましたね。
横尾 : 森口尚史という人が、 iPS細胞を「世界で初めて」
人に移植手術をして成功した、との報道ですよね。
10月11日の夕刊から大騒ぎになりました。
特に共同通信、読売新聞が大誤報でした。
編集部: その後、森口氏は虚偽だったと認めました。
なんでこんなウソに新聞社、通信社、大テレビ局は
騙されてしまうのですか?
横尾 : 根本は特ダネ合戦で、キチンとした「裏付け」をとらないからでしょう。
もうひとつは、科学技術、特に先端医療分野での新しい試みについて、
専門の記者も追いつけないような研究が起こっているんだと思います。
編集部: だとしてもお粗末ですね。
横尾 : やはり問題は、スクープ合戦です。
ボクらが報道に期待したいのは、「速さ」ではなく、
「真実」や「本質」に迫る記事を載せてほしい、ということ。
「速さ」といっても、それはネット社会が確立される前の時代の話。
いまは、どれが本物の情報で、なにが偽物なのか、
真贋を見極める視点を新聞社には望みたいです。
編集部: テレビも同様?
横尾 : そうです。
影響力という点では、NHKをはじめ大テレビ局の
放送番組の姿勢が問われます。
テレビはどうしても、視聴者にオモシロク、
いかに興味を持ってもらうかを一番に考えますから、
真贋の目を伝えることができません。
編集部: 報道がしっかりしないとダメなんですね。
横尾 : 今回はiPS細胞の話題で、私たち一人ひとりには直接関係のない誤報騒動ですが、
原発、領土問題での外交など、報道を誤ると命の危険や戦争の危機になりかねない
ニュースに関しては、報道をしっかりやらないと大変なことになります。
記者や新聞社の問題だけではなく、この事件の反省として
報道全体のスクープ合戦を止めさせないとダメ。
ボクは、デマやウソに踊らされるような嫌な時代になるのではと気がかりです。
編集部: 先週はノーベル賞で沸きましたが、そのなかで誤報騒ぎがありましたね。
横尾 : 森口尚史という人が、 iPS細胞を「世界で初めて」
人に移植手術をして成功した、との報道ですよね。
10月11日の夕刊から大騒ぎになりました。
特に共同通信、読売新聞が大誤報でした。
編集部: その後、森口氏は虚偽だったと認めました。
なんでこんなウソに新聞社、通信社、大テレビ局は
騙されてしまうのですか?
横尾 : 根本は特ダネ合戦で、キチンとした「裏付け」をとらないからでしょう。
もうひとつは、科学技術、特に先端医療分野での新しい試みについて、
専門の記者も追いつけないような研究が起こっているんだと思います。
編集部: だとしてもお粗末ですね。
横尾 : やはり問題は、スクープ合戦です。
ボクらが報道に期待したいのは、「速さ」ではなく、
「真実」や「本質」に迫る記事を載せてほしい、ということ。
「速さ」といっても、それはネット社会が確立される前の時代の話。
いまは、どれが本物の情報で、なにが偽物なのか、
真贋を見極める視点を新聞社には望みたいです。
編集部: テレビも同様?
横尾 : そうです。
影響力という点では、NHKをはじめ大テレビ局の
放送番組の姿勢が問われます。
テレビはどうしても、視聴者にオモシロク、
いかに興味を持ってもらうかを一番に考えますから、
真贋の目を伝えることができません。
編集部: 報道がしっかりしないとダメなんですね。
横尾 : 今回はiPS細胞の話題で、私たち一人ひとりには直接関係のない誤報騒動ですが、
原発、領土問題での外交など、報道を誤ると命の危険や戦争の危機になりかねない
ニュースに関しては、報道をしっかりやらないと大変なことになります。
記者や新聞社の問題だけではなく、この事件の反省として
報道全体のスクープ合戦を止めさせないとダメ。
ボクは、デマやウソに踊らされるような嫌な時代になるのではと気がかりです。
by weekly-yokoo | 2012-10-17 11:05 | バックナンバー