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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

第54回  【これでよいのか?消費税10%へ】

       第54回  【これでよいのか?消費税10%へ】

編集部: さて今週の話題は?

横尾 : 政府のいう「社会保障と税の一体改革」の内容が、先週の木曜日、
      6月30日に決まりました。選挙が怖い与党議員の抵抗で、
      実施時期を当初2015年度までに10%に上げる、という表現を
      「2010年代半ば」とボカしました。
      しかし基本は2015年度までに引き上げます。

編集部: 果たして何の為か、しっくりきませんね。

横尾 : 社会保障の財源とするためです。
      そのこと自体、すべて悪いわけではありませんが、社会保障改革の中身が
      ハッキリしません。「中負担、中福祉」という理念はハッキリしているよう
      ですが、「中福祉」の内容について国民に意見を聞いた方が良いと思います。
      世界を見ると、北欧は「高負担、高福祉」、アメリカは「低負担、低福祉」(格差
      社会の原因)という国の形があります。
      どちらにも当てはまらない「中福祉」の内容をキチンと説明するべきです。

編集部: 曖昧な「中福祉」ということですが、日本の社会保障のメインは?

横尾 : やはり「年金、医療、介護」の3本柱。
      これに生活保護、雇用、子育てを加える場合もありますが、
      支出の大きいのは前述の3つ。この財源ですね。
      この制度設計を将来どうするのかは議論がまとまらず、とりあえず消費税を
      上げる事だけ決まり。
      これじゃどうみてもおかしい!

編集部: ホントおかしいですね。

横尾 : 例えば年金。
      国民年金、厚生年金、公務員などが加入する共済年金など、バラバラな現行
      制度を、民主党のマニフェストでは将来的に統一する「年金一元化」が
      約束されていましたが、これも今回の「一体改革案」では先送り。
      まず税金を取ることを優先では、国民が納得するわけがありません。

編集部: 上げた消費税を震災の復興目的税にする、という案はどうですか?

横尾 : 期間限定で3%を5年間、というのならボクは賛成です。
      以前にもここで話しましたが。しかし、その先は目的を変更して
      社会保障にスライドというのは反対です。
      社会保障の中身をしっかりと国民に提示してからの話です。

編集部: この先、消費税の税率上げはどのようになってきますか?

横尾 : 民主党の岡田幹事長は、今年の国会に法案を出す、といっています。
      自民党も賛成ですから、秋の臨時国会か来年の6月までの通常国会で
      決まります。
      実施は再来年、2013年の4月か10月に、まず3%引き上げて税率8%に。
      その後2015年に10%になるでしょう。
      震災、原発騒動のドサクサに大事なことが次々と決まっていきます。
      怒り心頭ですね。

  by weekly-yokoo | 2011-07-06 10:47 | バックナンバー

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