週刊!横尾和博
週刊!横尾和博

第411回 【 東京五輪のボランティアはブラックボランティア 】

 第411回 【 オウム事件 麻原死刑囚らの刑執行 】

編集部: 今週の話題をお願いします。

横尾 : 先週6日(金)に地下鉄サリン、松本サリン、坂本弁護士一家殺人事件などの
     首謀者であるオウム真理教代表の麻原死刑囚と
     幹部6人の死刑が執行されました。

編集部: いきなり入った衝撃的なニュースでした。

横尾 : オウム事件では全部で13人の死刑が確定しており、
     残り6人が未執行ということになります。

編集部: オウム事件ももう23年たち、今の若い世代はわからない人も多いようですね。

横尾 : はい、1995年当時生まれた人で23歳、
     事件当時10歳だった人で33歳、過去の事件になりました。

編集部: 横尾さんはこの事件をどう見ていましたか?

横尾 : ボクは自分たちの勝手な宗教観で、関係ない周囲の人を巻き込んだ
     とんでもないテロ事件だったと思います。
     もちろん思想信条の自由、宗教の自由は保証されなければなりません。
     しかし、時として妄想、観念は暴走してしまいます。
     正義のためなら他人を殺してもよい、救済のためなら殺してもよい、
     という極論に辿り着くことにもなります。
     つまり〇〇のためなら、というのが怪しいと思うのです。

編集部: そうかもしれません。

横尾 : ゆえに彼らが暴走した理由を社会学、心理学、哲学、
     文学の立場から考えることはとても重要です。
     ただ犯した罪、実行行為については、法の裁きが必要です。

編集部: 若い世代が増えて、オウム事件を知らない人が増え、
     一方オウムは、名を変え、今でも活動している危機感が、
     死刑の背景にあったのでしょうか。

横尾 : そうでしょうね。
     神格化、殉教というパターンが国家権力にとっては嫌だったのでしょう。
     でもカルトは現代の混迷する社会のなかでは、オウムだけではなく、
     いろいろな形で表れてきます。
     正直、先進国の病だと思います。


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  # by weekly-yokoo | 2018-07-11 09:05 | バックナンバー | Comments(0)

今週の気になる? Vol.411

   第411回 【 芥川賞候補の盗作問題は? 】

編集部:「今週の気になる?」のコーナーは?

横尾 : 7月18日に、芥川賞の発表があります。
     このコーナーでもよく取り上げていますが、芥川賞というのは
     純文学の新人賞で1月と7月の2回発表があります。
     最近はメディアでも大きく報道され、芥川賞の概略や内容など
     一般にはよく知られていないまま、賞の名前だけがひとり歩きしていますね。

編集部: 中身はよくわからないのが実情だと思います。

横尾 : 今回は候補作品が5つです。
     ノミネートされたなかに「群像」という講談社が出している文芸誌に
     掲載された北条裕子「美しい顔」があります。
     この作品、群像新人賞を獲ったばかりで北条さんは無名の人です。

編集部: 作品の内容は?

横尾 : 3・11の大震災の直後の避難所での混乱、殺到するメディアの如何わしさ、
     ボランティアの善意の押し売りなどを、文学的に批判し、
     津波で亡くなった母親の死に顔を題名に比喩したもので、
     リアリズムで書かれた上手な作品です。

編集部: 文芸誌にでたときは評価が高かったのですか?

横尾 : はい、ボクも評価しましたが、作者は震災の現場に行かず、
     ボランティアもせずに、実際に体験していないことを書いた、
     その手腕がたいしたものだと思いました。

編集部: 実際に体験していないのに書くことはアリですか?

横尾 : 文学の場合はありです。
     ノンフィクションの場合は取材しないで書くことはありえません。
     フィクションではありですね。
     たとえば戦争を体験していないボクたちが太平洋戦争の小説を書く、
     これは当然あってよいわけです。
     江戸や戦国時代のことを書く時代小説も同様です。

編集部: そう言われてみればそうですね。

横尾 : だから先行文献を参照しながらフィクション(虚構)にするわけで、
     作品の最後に出典を書いておくのが礼儀です。

編集部: 今回は参考文献を書かなかった?

横尾 : 出版元の講談社はその事のミスは編集部の責任と認めています。
     しかし参考文献を挙げればそれでよいのか、盗用、コピペではないのか、
     というのがマネをされたと主張する新潮社などの言い分で、
     コトは大きくなっています。

編集部: 盗用された、との主張はどこがしているのですか?

横尾 : 石井光太『遺体』(新潮社)、金菱清『3・11慟哭の記録』(新曜社)などで
     いずれも版元が主張しています。

編集部: 横尾さんはどうお考えですか?

横尾 : ボクは現時点で、『美しい顔』と『遺体』『3・11慟哭の記録』を読み比べて、
    どこが盗用にあたるのか、あたらないのか、詳しく検証していないので、
    コメントはしません。
    ただ一般的には先ほどお話したように、小説家は体験しなくても書ける、
    参考文献や映像や体験者の話から、想像力で書くことができる。
    ゆえに本当に盗用だったら、作者は謝罪し、作品を抹消するべきです。

編集部: 横尾さんは3・11の際に東北に出かけましたよね。

横尾 : はい、防災士という民間資格を持っており、仲間と車で
     被災1か月後くらいに仙台、東松島、石巻に行きました。
     周囲の臭いや砂のざらつきなど、体験しないとわからない事が沢山あります。
     五感表現が視覚や聴覚だけで、この作者は体験していないことが
     わかりましたけどね。
     でもそれは先ほど話したように、虚構としての文学という意味では、
     よいかと思います。

編集部: 今後はどうなりますか?

横尾 : 講談社が全面的に反論して、作品をホームページで全文公開するということで、
     論争は大きくなるばかりです。
     講談社は盗作だったら会社の名誉に関わりますから。
     現時点でまだ落ち着き先は見えませんね。
     作者が盗用を認めれば別ですけど。


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  # by weekly-yokoo | 2018-07-11 09:01 | 今週の気になる? | Comments(0)

編集後記 Vol.411

現在世界で最も賑わっているスポーツの祭典、サッカーワールドカップであるが、先日世界が多く注目したニュースが試合後の日本人サポーターではなく、他の出場国のサポーターが自主的にゴミ拾いをおこなったというニュースだ。以前から日本人サポーターの試合後のごみ拾いが注目されているが、今回は違う。日本人のその姿が素晴らしいと共感した国々が真似てくれている。スポーツは世界を変えると言われているがこの様な形でも世界に影響を与えられる事は本当に素晴らしい。そもそも日本人サポーターによる清掃活動は、日本が初出場した1998年のフランス大会にさかのぼる。礼儀正しい姿を地元メディアが報道。以来、ほかの海外メディアも注目するようになった。今回も海外の複数メディアがこうした活動を評価する記事を掲載している。残念ながら我が日本はベスト16で終わってしまったが、まだまだワールドカップの熱は冷ていない。優勝国を予想しながら夜更かしして見る人たちが多い中、ゴミ拾いの習慣を国内の他のスポーツでも教訓としてほしい。さて、私も自分にムチを打って部屋の掃除を行うとしよう。まずはここからだ

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  # by weekly-yokoo | 2018-07-11 09:00 | 編集後記 | Comments(0)

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