週刊!横尾和博
週刊!横尾和博

 第3回 【民主大敗北で政治は大混乱、どこへも行けないニッポン!】

  第3回 【民主大敗北で政治は大混乱、どこへも行けないニッポン!】



編集部:11日に行われた参院選は大変な結果になりました。今後の政治の流れはどうなるのでしょうか?

横尾 :今回、民主党大敗北の原因は間違いなく菅首相の「消費税発言」ですね。菅首相の責任問題は避けられないでしょう。もうひとつの負けた原因は、地方の衰退化に対する1人区選挙区を中心に吹き出た地方の不満。地方の経済がちっとも良くならない、との切実な要望ですね。
1人区は県で1人の議員を選ぶオセロゲーム。民主対自民・公明連合軍の対決ですが、この制度のメリットは黒白ハッキリつけられますが、地方の論理で議席の増減に繋がり、日本全体を地方の視点で見るようなデメリットもありますね。実際のところ地方の活性化はどの党がやっても難しい。これで日本の政治の流れは、「ますます不安定化」「混乱」、お先真っ暗状態です。私は衆議院も解散総選挙して、今回の参院選同様、民意が自民、公明ならば、自民、公明の連立政権に戻るしかないと思いますけどね。

編集部:なぜ「不安定化」「混乱」なのですか?

横尾 :衆院では昨年夏の選挙で政権交代しました。現在、衆院の議席総数480議席のうち民主党が304議席を持っています。圧倒的で様々な法案が通る状況です。しかし今回の参議院選挙の結果、参院では、民主が議席を減らした事により協力関係にある国民新党と合わせても、過半数に届かなくなりました。

編集部:すると衆院で法案が通っても参院では通らないということですね。

横尾 :そうです。衆院と参院の逆転現象を「ネジレ」といっています。これからは参院で自民党、公明党やみんなの党が賛成しないと法案がなにひとつ通らなくなりますね。たとえば国民生活に関連の深い「子ども手当」は今年半額の毎月13000円を支給し来年は満額26000円出す方向でしたが、難しくなるでしょうね。その他にも生活関連の法案は厳しいでしょうね。この6月に終わった通常国会では法案の成立が最低でした。(政府提出法案は実質的に63本、そのうち成立は35件)

編集部:外国も日本の政治状況の不安定を嫌がっている、と報道されていますが、これはなぜでしょうか?

横尾 :今の日本の政治の不安定は、発展途上国並といわれ、政治の信頼が無くなります。外国政府は誰と交渉してよいのか?ということですね。2006年の夏に5年間首相を勤めた小泉さんが辞めて安倍さんに、1年たったら福田さん、また1年で麻生さん、そして昨年の2009年夏に「政権交代」で鳩山さん。鳩山さんは8カ月しかもたなかった。そして6月に菅首相になったけど、今回の参院選で目標議席に届かず責任論が起こり、9月の民主党代表選では、小沢さんの勢力に降ろされるでしょうね。もしかしたら、9月まで持たないかもしれません。

編集部:民主党は、また代表選挙をやるのですか?

横尾 :鳩山さんが任期途中で辞任したので、菅首相の任期は9月まで。これは民主党規約によるものです。(民主党規約、第6章、第11条参照)

編集部:するとまたまた首相も民主党内の勢力争いで変わる可能性もありますね。

横尾 :参院選の結果で、菅政権も名前だけの「死に体」、ますます混乱しますね。

編集部:日本の顔がコロコロと変わる、その一番の本質的な原因はどこにあるのでしょうか?

横尾 :メディアが選挙の本当の争点である、「政治の本質」を伝えてないんですよ。例えば普天間問題では沖縄の基地はイヤだという感情のみ伝える。本土の人間の本音や自分の所に基地が来るのは嫌だから沖縄に我慢してもらおう、とか。感情的でもその両方を伝えると、本当は戦後65年も経って今時その国の主権が及ばない米軍の軍事基地が全国に133ヶ所もあるなんておかしい、という話になってくるはずです。メディアはそれを伝えてないですね。消費税も確かに増税はイヤだし、菅首相のいきなり発言は頂けないけど、自民党政権下で作ってきた約900兆円の赤字をどうするの?という話に行かないと。物事の現象、表面だけを伝え、おもしろおかしく報道するから、世間に対して何が本当の問題なのか見えてこないんですよね。特に日本人は情緒や感情に流されやすいですから、そういう報道番組も多い。今度そんな番組企画しません?「情緒ニュースショー」。理屈はNGで感情だけでコメンテーターが発言する番組(笑い)。だから今度の焦点も消費税ではないんですよ。

編集部:では消費税じゃないとすると、横尾さんの考える「本質」とは何でしょうか?

横尾 :ずばり!これからの日本の枠組みを選ぶ体制。3つの争いなんです。
・1つ目は1980年代バブルの頃までの古き良き日本社会型を再び作るのか。
・2つ目は市場万能主義のアメリカ型格差社会。これは小泉、竹中路線と呼ばれるものですね。
・3つ目は北欧型で税金は高いが、社会保障がしっかりして経済も成長する道。
という選択なんです。

編集部:今の日本国民はどの道を望んでいるのでしょうか?

横尾 :私は「日本の古き良き社会に戻して」というのが国民の願いだと思います。これは国民新党などの路線ですね。でも今回は国民新党へ行かず自民党に票がいきました。アメリカ型だと派遣労働、非正規雇用の増大で格差社会を生み、秋葉原事件のようなものが増えると思います。民主党、菅首相の路線は市場原理を重視しながら第3の道である、無駄を削り、増税し、その増税分を社会保障として返すという北欧型に近いけれども、今度の敗北でその路線は難しいでしょうね。いずれにせよ、今回の参院選の結果、今後の政治は「混乱」がキーワードです!混乱を喜ぶのは官僚やアメリカ、中国などの外国ですね。どの国も海外経済戦略を持っている中で新幹線の売り込みや原発技術の売り込みなどを国家戦略としてやっていますが、日本だけが政治の内輪モメで、出遅れてる。混乱の先、数年後に何ができるか、まだはっきりとは見えないですね。

編集部:本日も貴重なご意見ありがとうございました。今回の参院選の投票率は57.92%と、前回の58.64%を下回りました。雨で投票率が伸びなかったとの報道もありますが、果たして雨だけの問題でしょうか?
[PR]

  # by weekly-yokoo | 2010-07-14 10:59 | バックナンバー

今週の気になる? Vol.3

    「岡田Japan」大活躍でワールドカップの経済効果は?


編集部:今回のサッカーワールドカップは日本の1次リーグ突破、ベスト16で盛り上がりましたね。

横尾 :前回4年前は1次リーグで敗けましたから、それに比べると経済効果もあったと思います。

編集部:日本国内ではどのくらいの効果があったのでしょうか。

横尾 :正確なデータはまだ出ないと思いますが、8年前の日韓共催で盛り上がり日本も1次リーグを突破した時の経済効果は約3兆3000億円といわれています。これはハード面、スタジアムの改修などの費用も含まれています。4年前のドイツが約4800億円でこれは薄型テレビなどデジタル家電が急激に増えた為といわれています。

編集部:すると今回はどうでしょうか?

横尾 :今回、「岡田Japan」は全敗するとか戦前予想が悪かったですよね。そして南アフリカという遠い国で、しかも治安が悪いとされて応援ツアーもイマイチで、効果は約2000億円、と予想されていましたが、初戦のカメルーン戦で意外に頑張り、「本田人気」もあって応援グッズも急増し、飲食、ツアーなどすべて含めて前回のドイツ大会を上回る約5000億円以上はいったのではないかと考えられます。

編集部:5000億円以上ですかぁ~、景気が悪いなかで明るい話ですね。ところでワールドカップ優勝はスペインでしたが、ベスト4にヨーロッパ勢が3ヵ国、スペインのほかオランダ、ドイツでした。いまヨーロッパのギリシァの財政危機など経済が混迷していますよね。

横尾 :ギリシャの財政破綻は、大きな問題でしたね。その中でもワールドカップでの活躍はEU加盟各国にしてみたら励みになったのではないでしょうか。ギリシャはなにしろ国の借金が多すぎて倒産してしまうんですからね。一方今度の選挙の争点にもなった日本の財政危機ですが、日本の借金は「国債」という形で日本国民から借りているので、まだ外国に借りていたギリシャや他のヨーロッパ各国に比べればましですけど(笑い)。まだまだEU各国は財政危機で混乱しています。

編集部:すると「気になる」のはヨーロッパの財政危機に伴う、世界経済の混乱?

横尾 :そのとおりです!ヨーロッパの情報は日本になかなか伝わりにくいですからね。株や金融商品の売買など小遣い稼ぎをしている人は、サッカー以上にヨーロッパ各国の動きに要注意ですね(笑い)。

編集部:そんなわけでサッカーワールドカップにちなんで、オススメの本などありますか?

横尾 :前日本代表監督のイビチャ・オシムの
『考えよ!日本人はなぜリスクを冒さないのか』(角川oneテーマ21)
がおもしろいですね。d0178451_10423335.jpg
日本人は自分たちが持っている伝統的な力や価値観を見直して日本流の戦い方をせよ、と言っている。
この考えはサッカーだけではなく、グローバル化が進む中での日本の立ち位置や経済戦略にも繋がります。
政治家や霞ヶ関官僚はこの本を読んだほうが良いかもしれないですね(笑い)。
[PR]

  # by weekly-yokoo | 2010-07-14 10:44 | 今週の気になる?

編集後記 Vol.3

2010年7月10日。つかこうへいさんが亡くなられました。
映画「蒲田行進曲」の大ヒットで全国的にその名を全国に知らしめた劇作家。
僕は、映画では「蒲田行進曲」で銀ちゃんに憧れ、「二代目はクリスチャン」で号泣し、「熱海殺人事件」では志穂美悦子さんの悩殺シーンで夜も眠れなくなりました。
著書では、「あえてブス殺しの汚名をきて」「ジャイアンツは負けない」「初級革命講座・飛龍伝」「いつも心に太陽を」などを若いころに夢中になって読み、イマジネーションに限界のない事を教えてもらいました。
あまりにも早すぎる死が残念でなりません。偉大な才能に黙祷。
[PR]

  # by weekly-yokoo | 2010-07-14 10:35 | 編集後記

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE