週刊!横尾和博
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第352回 【共謀罪、採決強行でよいのか?】

   第352回 【共謀罪、採決強行でよいのか?】

編集部:今週の話題をお願いします。

横尾 :共謀罪(テロ等準備罪)が、国会の衆議院法務委員会で18日に強行採決され
    ようとしています。
    このコーナーで何度も指摘しましたが、実行行為を裁く法律ではなく、人間の
    心の中のこと、実際には行われない犯罪を裁く法律で、極めて悪質なものです。

編集部:つまり、相談したり、心に思っていることを口に出したりしても罪になる?

横尾 :はい、対象となる犯罪は277あります。

編集部:でもテロ防止には必要との声もありますね。

横尾 :テロは確信犯ですから取り締まりができません。
    また現行法でも処罰できます。
    つまり事前に潰すには監視や内偵調査が必要で、そのことが監視社会を生んで、
    「組織的犯罪者集団」だけではなく、一般人も対象となります。

編集部:つまり実行行為前のことを処罰するのですから、いつも監視し密告を奨励し、
    すべての人が対象となるわけですね?

横尾 :先ごろのスノーデンの話でも、すでに日本のすべてのメールはアメリカに監視
    されているそうです。
    つまり「テロ」などのキーワードを自動的に識別できる装置で監視している
    わけですね。
    それを日本の当局もこの共謀罪が成立すると合法的にやろうとしているわけです。

編集部:イヤな社会になりますね。

横尾 :政治家や官僚も、いまの体制がずっと続くからと安心しているのでしょう。
    もしも極右や極左の政権が誕生して、いまの自民や公明や維新、つまり共謀罪に
    賛成した政党の議員たちが、その極端な政権を潰そうと相談したりすれば、自分
    たちが共謀罪の対象となり、相談しただけで刑務所に行くようになることを想像
    していないんです。

編集部:いまと逆に極端な政権が誕生したら、共謀罪に賛成した議員も将来は監視対象と
    なり得るという話ですね。

横尾 :日本の戦前の治安維持法を思い起こしたほうがよいと思います。
    思想や考えを罰するのはナチスや北朝鮮と同じように独裁を生むことになります。
    国会での採決強行は愚の骨頂ですね。

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※お知らせ 東京新聞掲載、村上春樹『騎士団長殺し』書評(筆者 横尾和博)


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  # by weekly-yokoo | 2017-05-17 10:59 | バックナンバー | Comments(0)

今週の気になる? Vol.352

第352回【『みみずくは黄昏に飛びたつ』がオモシロシイ!】

編集部:では「今週の気になる」をお願いします。

横尾 :2月に新刊長編『騎士団長殺し』が出た村上春樹ですが、今度はロングインタビ
    ュー『みみずくは黄昏に飛びたつ』が4月の終わりに出ました。
    サブタイトルは「川上未映子訊く 村上春樹語る」です。
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編集部:聞き手の川上未映子は作家ですか?

横尾 :はい、ミュージシャンから出発し、芥川賞を受賞した若手の作家です。
   
編集部:このインタビュー集の読みどころは?

横尾 :村上春樹に対して、臆せずに質問をぶつけているところです。
    作家であるという立ち位置と、読者代表で新作の創造の秘密を聞きたい、という
    使い分けを考えています。
    村上春樹がこれまで言わなかった文学論や創作法を話しています。
    これは聞き手が優れているからだと思います。

編集部:インタビューは難しいですよね。

横尾 :はい、ボクも映像メディアなどでもやりますが難しいです。
    事前の下調べから、わざとイヤな質問をぶつけてみたりするインタビューの
    方法、というものがありますが、文学のインタビューは特に難しいと思います。
    やはりある種の感性がなければダメだと思います。

編集部:波長が語り手と合うということですか?

横尾 :もちろんそうですが、語り手の知を刺激し、奥深いところまで引き出すのは
    インタビュアーの才能だと思います。

編集部:するとこの本は、村上の本音を聞き出したという意味で画期的ですね?

横尾 :そう思います。
    特に彼の「文学のいま」についての認識を引き出したことは大きいと思います。
    一読の価値あり、の本ですね。
    この本の主役は川上未映子かもしれません。


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  # by weekly-yokoo | 2017-05-17 10:55 | 今週の気になる? | Comments(0)

編集後記 Vol.352

今日は、私が大好きな女優、オードリーヘップバーンの話を少し紹介したい。
彼女は1929年5月4日、ベルギーの首都ブリュッセルに生まれる。ヘップバーンは父の家系を通じてイギリスの市民権も持っていた。また、母の実家がオランダだったことや父親の仕事がイギリスの会社と関係が深かったこともあって、一家はこの三カ国を頻繁に行き来していた。
ヘップバーンの両親は1930年代にイギリスファシスト連合に参加。ナチズムの信奉者となっていった父は、浮気がばれると家庭を捨てて出て行った。
1935年、母は子供たちと故郷オランダのアーネムへと戻った。その後、1937年に母とヘップバーンはイギリスのケントへと移住。第二次世界大戦が勃発する直前の1939年、母は再度アーネムへ帰郷した。オランダは第一次世界大戦では中立国であり、再び起ころうとしていた世界大戦でも中立を保ち、ドイツからの侵略を免れることができると思われていたためである。1939年からヘップバーンはアーネム音楽院に通い、バレエを学んだ。
1940年にドイツがオランダに侵攻。1944年ごろには優れたバレリーナとなっていたヘップバーンは、オランダの反ドイツレジスタンスのために、秘密裏に公演を行って資金稼ぎに協力していた。
1945年の第二次世界大戦終結後、母とヘップバーンはアムステルダムへと移住。アムステルダムでヘップバーンは3年にわたってソニア・ガスケルにバレエを学び、オランダでも有数のバレリーナとなっていった。
1948年にヘップバーンは初めて映像作品に出演。イギリスで数本の映画に出演した後に、1951年のブロードウェイ舞台作品『ジジ』で主役を演じ、1953年には『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を獲得。その後も『麗しのサブリナ』(1954年)、『ティファニーで朝食を』(1961年)、『マイ・フェア・レディ』(1964年)などの人気作に多数出演している。
ヘップバーンの女優業は年齢と共に減っていき、後半生のほとんどを国際連合児童基金(ユニセフ)での仕事に捧げた。ヘップバーンがユニセフへの貢献を始めたのは1954年からで、1988年から1992年にはアフリカ、南米、アジアの恵まれない人々への援助活動に献身している。1993年、ヘップバーンはスイスの自宅で虫垂癌のために63歳で死去した。
そんな彼女が生前残した言葉がある。

The greatest victory has been to be able to live with myself, to accept my shortcomings and those of others.
(わたしにとって最高の勝利は、ありのままで生きられるようになったこと、自分と他人の欠点を受け入れられるようになったことです。)

この素晴らしい言葉を常に言い聞かせ、私もそうなれるよう生きている。
ありのままの人生に、人と出会い、触れ合い、感じる想い。上記通りの考えを、胸を張って言えた時、私は勝利しているはずである。それも、最高の。


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  # by weekly-yokoo | 2017-05-17 10:45 | 編集後記 | Comments(0)

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