376回 【神戸製鋼ほか、企業の不祥事はなぜ起こる?】
376回 【神戸製鋼ほか、企業の不祥事はなぜ起こる?】
編集部: 最近、神戸製鋼をはじめ日産自動車、スバルなど企業の不祥事が
ニュースになっています。どう思われますか?
横尾 : これはかなり重大な問題ですね。
神戸製鋼は安全基準の問題、日産やスバルは無資格検査員の問題、
商工中金はノルマ押し付けで過剰融資と、問題の表面はそれぞれ違いますが、
本質的には同じ問題を抱えています。
編集部: その本質とは何でしょうか?
横尾 : 市場競争が行き過ぎて、企業のモラルが破綻しているということです。
編集部:かつて耐震偽装や食肉偽装がありましたね。
横尾 : そうですね。しかし今回は大企業ですから。
しかも大企業で現場でのモラルハザードが起きている。
編集部: わからなければよい、という考え方ですね?
横尾 : そう、コスト切り上げのために、わからなければ安全なんか
少しくらいごまかしてもよいという考え方です。
編集部: バレても一時はメディアに追及され、役員の辞任はあっても、
人の噂も75日、でやり過ごそうと?
横尾 : はい、そういうことですね。
あの原発事故でも、東電は潰れませんからね。
しかし神戸製鋼は輸出した材料や製品が、
アメリカでは大問題になる可能性があります。
訴訟社会ですから多額の損害賠償を求められることになりかねない。
そうなると企業として立ちゆかなくなるかもしれません。
編集部: そのあたりは企業経営者の見方が甘い?
横尾 : そう思います。
また現場レベルでも世界の市場競争にうって出ようとする企業は、
リスクを考えないで、安易に手抜きなどをすると、会社の命運、
ひいては従業員や下請け、家族も含めての運命を左右することになる、
その自覚が足りない、企業教育の問題ですよ。
編集部: 日産やスバルも同じですか?
横尾 : アメリカに輸出している企業は不正があると、
大きなリスクを抱えることになりますね。
この先の動きをみていたほうがよいですね。
by weekly-yokoo | 2017-11-01 10:00 | バックナンバー