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週刊!横尾和博
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第336回 【天下り、忘れたころに再び!】

       第336回 【天下り、忘れたころに再び!】

編集部:今週の話題をお願いします。

横尾 :文部科学省が天下りを、組織的にやっていたことが明らかになりました。
    天下りは、民主党が政権をとっていたときに排除しました。
    政治情勢的にも自民対民主の国会議員の数が拮抗していたこともあり、
    緊張関係があって、しばらくは霞が関の官僚もおとなしくしていました。

編集部:それがなぜ復活したのでしょうか?

横尾 :自民党が強くなり、政治が1強多弱状態で、しかも安倍政権が長い間続いて
    今後もあと4年くらいは続きそうなので、緩んでいるんですね。

編集部:天下りの問題は?

横尾 :膨大な許認可権や予算を扱う中央官庁の官僚が、退職したら関連の民間企業に
    再就職すれば癒着が生まれます。
    以前、国民の批判を受け、それを是正するために国家公務員法が改正されたの
    ですが、ザル法になっていました。

編集部:今回、どこがザルだったのでしょうか?

横尾 :いまの法律では「現職職員による関連利害企業へのあっせん」を禁止しています。
    文部科学省のやり方は現職職員ではなく、前に退職したOBを介して再就職の
    あっせんをしています。
    法のぬけ穴をくぐっているんですね。

編集部:天下りが絶えない理由はなぜなのでしょうか?


横尾 :官僚は役所のなかで出世競争をします。
    中央省庁の官僚のトップは事務次官です。
    同期の官僚のなかで次官が決まると、他の官僚は退職することになります。
    だいたい50代半ばです。
    すると定年まで数年ありますから、再就職をします。

編集部:再就職自体は悪いことだと思いませんが?

横尾 :そうです。
    問題は何度も再就職を繰り返し、そこで退職金を何回ももらい、結局は私腹を
    肥やすことになります。
    そもそも官僚は税金をもらって仕事をしていたのに、私腹を肥やしてよいのか、
    という問題です。

編集部:そうですね。

横尾 :彼らの論理では、国家公務員は給与が民間よりも安く、たとえば東大法学部を
    卒業して、国家公務員試験に合格して官僚になっても、民間に就職した同期生に
    比べて生涯賃金が安いので、再就職と繰り返す退職金は当然だ、という理屈に
    なります。

編集部:官僚は国のために働くのですから、生涯賃金を言ってはいけないですよね?

横尾 :そうです。
    自分で道を選択して、国のために尽くすのが公務員です。
    特に官僚は、実際の行政を動かすわけですから、そこに誇りをもって、
    お金のことを言ってはダメだと思います。
    そういう気概のある官僚がいなくなった、ということです。
    まあ小さいころから「お受験」で成績はよかったけど、世の常識が通用しない人
    たちだと思いますよ。
    その人たちが日本の舵取りをしているのですから、怖いものがありますね。


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  by weekly-yokoo | 2017-01-25 10:43 | バックナンバー

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