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第234回 【芥川賞を考える!】

                 第234回 【芥川賞を考える!】

編集部: 今回の話題はなんでしょうか?

横尾 : 芥川賞についてです。
      ちょうど1月15日(木)、発表になります。

編集部: 芥川賞、名前は知っているかと思いますが、
       内容はよくわからない人が多いようです。


横尾 : そこで簡単に話しますと、
      ①純文学の新人賞で、文壇の登竜門といわれる
      ②一応「振興会」が独立してあるが、文藝春秋社がやっている賞
      ③太宰治、村上春樹、吉本ばなな、山田詠美など、受賞していない作家もいる
      ④逆に、新人賞なのでその後消えた作家もたくさんいる
      ⑤年2回、1月と7月に発表される
      ということになります。

編集部: 新人賞なんですね?

横尾 : はい、ポイントは1934(昭和9)年から創設された、という歴史があること
      なんです。
      ほかにも講談社は「野間文芸新人賞」、新潮社には「三島由紀夫賞」がありますが、
      歴史が新しいんです。

編集部: すると、新人賞で実質的な主催は文藝春秋社、というところがミソですね。
       でも、なんでこんなに大騒ぎに?


横尾 : 大々的に新人を売り出したい出版社の思いと、
      内容がよくわかっていないでテレビが便乗して報道してしまうんです。
      NHKのニュースでも流すくらいですから。
      だから純文学の最高峰のような印象、誤解を世間に与えています。

編集部: すると、選考は小説の中身より「話題性」が重視される?

横尾 : そのような傾向があります。
      たとえば最近では、西村賢太の「苦役列車」は妥当だと思いますが、
      同時に毛並みのよい朝吹真理子を受賞させて「美女と野獣」の効果を狙う。
      また、高齢で受賞した黒田夏子とか。
      出版も商売である以上、本が売れた方がボクもよいとは思いますが、
      やりすぎはいけません。

編集部: ずばり今回は?

横尾 : 1979年生まれなのに、太平洋戦争下の南方での敗色濃い日本軍の戦場の様子を
      リアルに描いた高橋弘希「指の骨」が受賞するかどうかでしょう。
      この作品なら戦後70年の話題性のなかで、実力も備わっていると思います。
      さて、どうなるかお楽しみです。


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  by weekly-yokoo | 2015-01-14 11:04 | バックナンバー

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