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週刊!横尾和博
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第231回 【体制順応は気持ちがよいか?】

            第231回 【体制順応は気持ちがよいか?】

編集部: 選挙も終わり、予想どおり自民党圧勝でした。

横尾 : 選挙はひどい結果ですね。
      自民、公明で衆院3分の2の議席をとり、仮に参院で法案が否決されても
      衆院3分の2で再可決できることになります。
      何でもできる状態で、国会には緊張感がなくなりますね。

編集部: 今回の自民党、公明党大勝の原因は投票率の低さですか?

横尾 : 複合的な要素はあると思います。
      国民が政治に関心がないのと、やはり安倍政権の全体主義的な兆候に、
      「寄らば大樹の陰」、「強いものにつく」という日本人の国民性が出たのかも
      しれません。
      メディアで自民圧勝が報じられることで、自民に投票しようという人が日に日に
      増えたようです。
      選挙予想報道が逆バネにはたらいたのは昔のことですね。

編集部: 「強いものにつく」、それは日本だけの傾向ですか?

横尾 : 日本だけではなく、庶民はいつもそうですね。
      でも欧米では市民意識が強いから、まだ政権やおカミに反抗的な行動が起きますね。
      日本でも「一揆」や「乱」という形での反抗は、幕末や明治の当初までありました
      けど。

編集部: すると、日本人も100年くらい前までは時の権力に反抗的だったけど、
       だんだん順応するようになった?


横尾 : やはり昭和の初めの軍国主義、そして弾圧、戦争敗北を経て、
      徐々に「一夜に変わる日本人」が熟成されたのかもしれません。

編集部: 庶民が「現状維持を望む」のはある意味当たり前では?

横尾 : そう、しかし今でも個別の原発政策では「脱原発」「非原発」が世論調査で多数派
      ですが、自民公明が勝つのは、現政権に逆らわない、という順応主義の表れですね。
      唯一違うのは沖縄の民意ですね。

編集部: 根本に、庶民の体制への順応願望があるとすると、変わりませんね。

横尾 : ただ一度の例外は、2009年の民主党政権の誕生ですね。
      このときも権力に本気で潰されたのと、民主党自体が自壊しましたね。
      だからリベラル派の、「庶民が無知」だから教育や宣伝をすればみな事態がわかり、
      リベラル派になる、という考えは大きな間違いなんです。
      庶民は理屈ではなく肌感覚で、危険を察知して体制につきます。
      啓蒙しても教化してもだめなんです。
      またそれは悪いことではなく、庶民は自分の生活が一番ですから、
      それでよいのです。
      問題は、権力がそういうことをわかっていて、いつもエサをばらまく。
      権力の哲学がなく、自制がきかないんです。
      いまの自民党議員は2世、3世議員で苦労人ではない。
      反知性主義もあって、権力者の器ではない議員が多い。
      それが一番問題で、解決策は一朝一夕にはないです。
      民主主義は時間がかかります。


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  by weekly-yokoo | 2014-12-17 11:21 | バックナンバー

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