今週の気になる? Vol.207
第207回 【再び吉村萬壱『ボラード病』について】
編集部: さて今週の気になるですが?
横尾 : このコーナー(第181回、2013.12.25)でも紹介した、
作家の吉村萬壱の『ボラード病』が、単行本として6月に文藝春秋社から
発売されました。
前回紹介したのは文芸雑誌「文學界」新年号に掲載されたときでした。
編集部: 3・11以降の「震災文学」の一環と位置づけられていましたね。
横尾 : ディストピア小説という枠組みを使いながら、原発災害後の近未来を描き、
社会を覆う「空気」に違和感をさし挟むことのできない人間たちを、
ひとりの少女の目から描いた傑作です。
ここには原発事故後の社会だけではなく、戦時翼賛体制などの比喩が含まれると
思います。
編集部: その後の評判はどうですか?
横尾 : 先日下北沢で、吉村萬壱と長嶋有のふたりの芥川賞作家によるトークショーが
ありました。
満席で、読者の熱い期待が伝わってくるような会でした。
今後書評なども出て、高い評価を受けるでしょう。
編集部: 「ボラード」とはどのような意味でしょうか?
横尾 : 港で船を繋ぐ繋船柱のことです。
ボクたちは見えない鎖に日々繋がれています。
鎖の存在を覚醒させてくれたことでも、この小説の意義は大きいですね。
編集部: さて今週の気になるですが?
横尾 : このコーナー(第181回、2013.12.25)でも紹介した、
作家の吉村萬壱の『ボラード病』が、単行本として6月に文藝春秋社から
発売されました。
前回紹介したのは文芸雑誌「文學界」新年号に掲載されたときでした。
編集部: 3・11以降の「震災文学」の一環と位置づけられていましたね。
横尾 : ディストピア小説という枠組みを使いながら、原発災害後の近未来を描き、
社会を覆う「空気」に違和感をさし挟むことのできない人間たちを、
ひとりの少女の目から描いた傑作です。
ここには原発事故後の社会だけではなく、戦時翼賛体制などの比喩が含まれると
思います。
編集部: その後の評判はどうですか?
横尾 : 先日下北沢で、吉村萬壱と長嶋有のふたりの芥川賞作家によるトークショーが
ありました。
満席で、読者の熱い期待が伝わってくるような会でした。
今後書評なども出て、高い評価を受けるでしょう。
編集部: 「ボラード」とはどのような意味でしょうか?
横尾 : 港で船を繋ぐ繋船柱のことです。
ボクたちは見えない鎖に日々繋がれています。
鎖の存在を覚醒させてくれたことでも、この小説の意義は大きいですね。
by weekly-yokoo | 2014-07-02 11:09 | 今週の気になる?