今週の気になる? Vol.197
第197回 【村上春樹の新作短篇集『女のいない男たち』を読む!】
編集部: さて今週の気になるは?
横尾 :村上春樹の9年ぶりの短編集が4月18日(金)に発売されました。
『女のいない男たち』(文藝春秋)です。
初刷り30万部というビッグな小説です。
編集部: 内容はどのようなものでしょう?
横尾 : 6つの短編から編まれています。
月刊誌『文藝春秋』に載せたものが4作、他の雑誌掲載が1作、書き下ろし1作です。
モチーフは文字どおり「女性に去られた男たち」、あるいは「去られようとしている
男たち」です。
この「男たち」という複数形に大きな意味があるようです。
編集部: どのような意味でしょうか?
横尾 : ひとりの女性とふたりの男性、という三角形の構図、
トライアングル・ストーリーは、村上春樹得意のパターンです。
また、それぞれの登場人物の人間関係の距離感、
互いに心に欠けたものをもっているのも特徴です。
なぜ、それが女ふたりに男がひとりの三角構図ではなく、
男ふたりに女がひとりの構図になっているのか、
それはストーリーとして、小説の動力になるからだと思います。
女性の嫉妬心には静的なイメージがありますが、
男性の嫉妬は、現実の事件の引き金となったり、ダイナミズムをもたらすからです。
編集部: この本の読みどころはどのあたりでしょうか?
横尾 : 今回の6つの短編のなかで、ボクが一番不思議に思ったのは、
表題作の書き下ろし「女のいない男たち」です。
夜中に、昔の恋人の夫から電話で「妻が自殺した」と告げられた男が
元恋人の彼女を回想する話ですが、比喩や寓意が多く、
たとえば“船と港と水夫”という言葉がでてきますが、
意味する謎を考えるのが難しいです。
もちろん文学は、読者一人ひとりの解釈がいろいろあってよいわけですが。
編集部: それはおもしろそうですね。
横尾 : まずは一読を。
編集部: さて今週の気になるは?
横尾 :村上春樹の9年ぶりの短編集が4月18日(金)に発売されました。
『女のいない男たち』(文藝春秋)です。
初刷り30万部というビッグな小説です。
編集部: 内容はどのようなものでしょう?
横尾 : 6つの短編から編まれています。
月刊誌『文藝春秋』に載せたものが4作、他の雑誌掲載が1作、書き下ろし1作です。
モチーフは文字どおり「女性に去られた男たち」、あるいは「去られようとしている
男たち」です。
この「男たち」という複数形に大きな意味があるようです。
編集部: どのような意味でしょうか?
横尾 : ひとりの女性とふたりの男性、という三角形の構図、
トライアングル・ストーリーは、村上春樹得意のパターンです。
また、それぞれの登場人物の人間関係の距離感、
互いに心に欠けたものをもっているのも特徴です。
なぜ、それが女ふたりに男がひとりの三角構図ではなく、
男ふたりに女がひとりの構図になっているのか、
それはストーリーとして、小説の動力になるからだと思います。
女性の嫉妬心には静的なイメージがありますが、
男性の嫉妬は、現実の事件の引き金となったり、ダイナミズムをもたらすからです。
編集部: この本の読みどころはどのあたりでしょうか?
横尾 : 今回の6つの短編のなかで、ボクが一番不思議に思ったのは、
表題作の書き下ろし「女のいない男たち」です。
夜中に、昔の恋人の夫から電話で「妻が自殺した」と告げられた男が
元恋人の彼女を回想する話ですが、比喩や寓意が多く、
たとえば“船と港と水夫”という言葉がでてきますが、
意味する謎を考えるのが難しいです。
もちろん文学は、読者一人ひとりの解釈がいろいろあってよいわけですが。
編集部: それはおもしろそうですね。
横尾 : まずは一読を。
by weekly-yokoo | 2014-04-23 11:54 | 今週の気になる?