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週刊!横尾和博
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第147回 【メーデーに考える!「解雇の自由化」】

         第147回 【メーデーに考える!「解雇の自由化」】

編集部: 最近ユニクロの世界同一賃金など、労働問題がいろいろな場面で
      クローズアップされています。


横尾 : 結局TPPもそうですが、グローバルという、耳に心地よい言葉を建前にして、
      アメリカを中心とする新自由主義が世界を席巻し、日本の経済界、官僚、政治家、
      一部メディアの新自由主義者グループが、安倍政権をバックに大攻勢をかけている
      んですね。
      「雇用の流動化」の美名で低賃金、解雇の自由、非正規雇用の増大を生み出そうと
      しているのです。

編集部: 「解雇の自由化」とはなんですか?

横尾 : 規制改革(規制緩和)を働く現場へ持ち込み、企業に労働者を解雇する自由を与え、
      「首切り自由社会」にするものです。
      いまは労働基準法やそのほかの法律で、労働者を簡単には解雇できないように
      なっています。
      安定した仕事に就くことにより、働く人は生活設計が可能になり、
      育児、教育、老後の生活設計ができるわけです。
      しかし、安倍政権は、「企業活動を妨げる障害を一つひとつ解消」
      (2月28日の国会での施政方針演説)という政策で解雇の自由化を
      検討しています。

編集部: 実現すると、日本社会はどうなるのでしょうか?

横尾 : 正社員もどんどん解雇できるようになると、年収200万円未満の非正規が増大し、
      格差社会がさらに膨張していきます。
      格差が大きくなると社会全体に閉塞感と不安が広がり、
      治安状態も悪くなるでしょう。
      新自由主義的には警備産業が儲かる、というでしょうが。
 
編集部: いつごろから具体的になるんですか?

横尾 : 国会の法律改正が必要です。
      いまの国会は自民、維新、みんな、民主の一部含めて新自由主義賛成ですから、
      早ければ秋の臨時国会で法案が通り、3年くらいの周知期間をおいて、
      2017年くらいから実施されるでしょう。

編集部: いま、ちょうど5月1日メーデーの時期です。

横尾 : 5月1日はメーデー。働く人の祭典です。
      そもそもメーデーは、8時間労働制を勝ち取るために、
      それまで炭鉱や工場で無制限に働かせることができた社会から、
      働く人を守るために立ち上がった、その記念日としてできたものです。
      1886年にアメリカで起こった運動が記念日になったんです。
      いまこの基本的な働く者の権利やルールがなくなり、130年前に戻るような
      政治情勢のなかで、もう一度働く人の権利を考えたいと思います。


 新インターネットテレビ局開局!
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 今この国で起きている出来事やニュースの本質をわかりやすく解説します。
 パックインニュースのコメンテータが、新しくネット放送を立ち上げました。

  by weekly-yokoo | 2013-05-01 11:04 | バックナンバー

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