今週の気になる? Vol.112
第112回 【若い作家のとらえた戦争とは?】
編集部: さて今週の気になるですが?
横尾 : 西川美和の新刊小説『その日東京駅五時二十五分発』(新潮社)を紹介します。
その日、とは昭和20年8月15日、つまり敗戦記念日のことです。
情報部の新兵だった若者がいち早く敗戦を知り、
故郷の広島に帰るまでを描いた小説。
残虐なシーンはなく、淡々と敗戦色が濃い、昭和20年の夏を描いています。
庶民の逞しさのようなものが描かれています。
編集部: 西川美和は、30代の映画監督ですよね。
横尾 : そうです。
「ディア・ドクター」という名作が印象に残っています。
小説家でもあり、その映画の原作が直木賞候補にもなったんです。
いずれ映画にもなるかもしれません。
編集部: でも若い作家が、いま、なぜ戦争なのでしょうか?
横尾 : やはり昨年の3・11とのダブルイメージなのでしょうね。
これからも大震災、原発事故をモチベーションとした文学が
たくさん生まれてくると思います。
それを「震災文学」という軽い言葉で表現してよいのかどうか、
疑問が残りますが、新しい可能性が誕生していると思います
編集部: さて今週の気になるですが?
横尾 : 西川美和の新刊小説『その日東京駅五時二十五分発』(新潮社)を紹介します。
その日、とは昭和20年8月15日、つまり敗戦記念日のことです。
情報部の新兵だった若者がいち早く敗戦を知り、
故郷の広島に帰るまでを描いた小説。
残虐なシーンはなく、淡々と敗戦色が濃い、昭和20年の夏を描いています。
庶民の逞しさのようなものが描かれています。
編集部: 西川美和は、30代の映画監督ですよね。
横尾 : そうです。
「ディア・ドクター」という名作が印象に残っています。
小説家でもあり、その映画の原作が直木賞候補にもなったんです。
いずれ映画にもなるかもしれません。
編集部: でも若い作家が、いま、なぜ戦争なのでしょうか?
横尾 : やはり昨年の3・11とのダブルイメージなのでしょうね。
これからも大震災、原発事故をモチベーションとした文学が
たくさん生まれてくると思います。
それを「震災文学」という軽い言葉で表現してよいのかどうか、
疑問が残りますが、新しい可能性が誕生していると思います
by weekly-yokoo | 2012-08-22 11:05 | 今週の気になる?