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週刊!横尾和博
月刊!横尾和博

第33回  【独裁vs.民衆、エジプト革命は成功するか?】

      第33回  【独裁vs.民衆、エジプト革命は成功するか?】

編集部: エジプトが大変なようです。

横尾 : ムバラク大統領は約30年間政権の座につき、反対派を封じ込めて、賄賂など
      利権政治を進めてきました。一方国民は物価が高く、仕事はなく、
      貧困にあえいでいます。不満が爆発するのは当然ですね。
      日本だって約50年以上一党独裁のような自民党政権が続いて、
      その後民主党政権は混乱していますけど(笑)。

編集部: これは中東だけの問題で収まるのでしょうか?

横尾 : この問題は、エジプトにとどまらずにアラブ世界に広がります。
      同じような問題を抱えている国が多いですから。
      この地域ではイスラエル対反イスラエルの対立、
      対決の構図が基本という事が、いちばん大きな問題なんですね。
      今までエジプトはアメリカの支援のもと、親イスラエルでした。
      中東和平の仲裁をしたり、アメリカにとっては都合がよい政権だったんです。

編集部: 今のアメリカはムバラク政権に批判的です。

横尾 : それは政権の力が弱まり、アメリカが見放したからです。
      アメリカは自分の都合さえよければ、独裁でも何でも支援します。
      そして使えなくなったら切り捨てます。

編集部: ええっ?!そう言う事なんですか!

横尾 : イラクのフセイン前政権も、前はアメリカが支援していましたが、
      イラク戦争で打倒しました。いま国際テロの張本人といわれる、
      アルカイダのビン・ラディンだってアメリカが最初は支援し、
      ソ連のアフガン侵攻に反対する英雄だったんです。いまは真逆ですね。

編集部: それはひどいですね。国際政治の世界ってそんなもんなんですね。

横尾 : エジプトに反アメリカ、反イスラエルの政権ができるのが一番困るんですね。
      なぜアメリカがイスラエルを支援するのか?
      アメリカ社会の中でメディア、金融を中心に実権を握っているのは、
      誰かを見ればわかりますよね。そう、ユダヤ人です。
      パレスチナの核兵器疑惑などイスラエルの横暴は目に余るものがありますが、
      世界はそれをとめられない。
      北朝鮮はそのことを逆手にとってアメリカを脅かしているわけです。
      いまエジプトでは各国の情報機関が暗躍して、ムバラクで9月までもつか、
      反対派の中でも親米政権ができるかどうか、ウラでの駆け引きが
      すさまじいと思います。

編集部  ううっ。アメリカって・・・・
       日本人も、もっとアメリカの事をちゃんと知らないとダメですね!
       今週も、ありがとうございました!

  by weekly-yokoo | 2011-02-09 11:13 | バックナンバー

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